HOME > 病気と症状 > 消化器内科の病気と症状 > 胃の痛み・不快感

胃の痛み・不快感

胃の痛み・不快感には二種類あります。
・食べ過ぎ:胃が膨らみ、お腹が突っ張ることで痛みを感じる
・胃に異常が起きている:焼けるような・ものを食べると痛む
というように短時間の痛みが多く、食べ過ぎて胃が痛むのであればよいのですが、病気が関係してきていることもあります。
胃の痛みを引き起こす病気は、いくつかあります。今回は、主な病気7種類をご紹介します。下記のような病気かな?と疑われるようでしたら消化器科へ受診されることをおすすめします。

胃の痛みや不快感を伴う病気

消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、急性胃粘膜病変、NSAIDs潰瘍)

胃や十二指腸の粘膜が、胃液によって傷つけられた状態をいいます。
症状としては、胃の痛み・胸やけ・げっぷ・胃のむかつき・タール便(黒い便)・吐血・空腹時のみぞおちの痛みなどが出てきます。個人差があり、症状が出ない場合もあります。原因は、ピロリ菌・薬の副作用・胃酸の過分泌などとされています。胃カメラや胃透視(バリウム検査)で検査を行います。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃粘膜に、突然の炎症が起こった状態のことです。日常的に、一番起こりやすい病気とされています。症状は、胃の痛みや不快感・むかつき・おう吐・食欲低下・吐血が起こります。多くは、安静にして食事に気を付けていると、2〜3日で治る病気です。
原因は、ウイルスへの感染・食中毒・刺激の強い食べ物の摂りすぎ・暴飲暴食・アルコールの摂りすぎ・薬の副作用・アレルギー・ストレス、と多々あります。病院では、血液検査や超音波・内視鏡検査が行われます。激しい嘔吐や腹痛・高熱がある、胃の痛みといった症状が治まらない場合は、消化器科か一般内科、胃腸科、かかりつけ医へ受診することをおすすめします。

神経性胃炎

精神的な不安や苦痛、ストレス、寝不足、仕事による疲れが原因で、引き起されます。胃の症状は激しい胃痛・吐き気・全身倦怠感・食欲不振・体重減少・胃もたれ・げっぷ。これに加えて、心身症の症状(ふらつき・不眠・不安・抑うつなど)もみられます。血尿、内視鏡、腹部超音波、便に血が混じっていないかという検査をした後、内科や精神科医の問診で判断されます。

胃アトニー

胃下垂(胃が正常な位置より垂れ下がっている状態)が原因で、胃の動きが弱っている状態のことをいいます。症状としては胃痛・胃もたれ・げっぷ・むかつき・食欲不振・精神疲労・胃が張ったような痛み・すぐ満腹になってしまう、などがあります。バリウム検査で判断されます。食後に、体の右側を下にして横になると、症状が軽くなる特徴があります。

胃アニサキス症

アニサキスという虫が寄生している魚介類を、生や、加熱が不十分なまま食べることでおこる病気です。魚を食べた大体2~8時間後に、激しい胃の痛み・おう吐が起こります(厚生労働省|アニサキスによる食中毒を予防しましょう)。主な感染原因は、サバ・アジ・イワシ・イカ・サンマなどの海産魚介類を食べることです。原因となるアニサキスを除去すれば、症状はおさまります。

胃粘膜下腫瘍

胃の壁に腫瘍や、隆起ができる病気のことを指します。腫瘍が小さい時は、ほとんど症状がありません。時々腹痛・胃の痛みや不快感がおこることがあります。腫瘍が大きくなるにつれて、吐血・下血(肛門から血液が出てくる)の症状が出てくることがあります。内視鏡・超音波検査で発見できるものです。あまりに腫瘍が大きくなると、摘出手術が必要になります。

胃がん

日本の死亡数の男性第2位、女性第3位を冠する病気です。症状には胃の痛み・不快感・膨らんだような感じ・胸やけ・げっぷ・吐き気・食欲不振・貧血・体重減少がでてきます。胃がんは、症状では他の病気と区別ができません。原因として、ピロリ菌ではないか、と考えられています。内視鏡検査とX線検査で、判断が行われます。

機能性ディスペプシア

原因となる疾患がないにもかかわらず、慢性的にみぞおちが痛くなったり、胃もたれがおきたりする病気のことです。

胃けいれん

胃けいれん自体は、病気ではありません。みぞおち部分を中心に突然発症するもので、激しい痛みを伴います。痛みは、数分~2時間ほど続くこともあります。
胃や、十二指腸炎や急性膵炎・便秘といった他の部位の病気が原因で、胃けいれんを引き起こします。

予防するには

日常的なことから予防できます。胃に負担を与えすぎないことが大切です。

・一日三回規則的な食事を行う
・よく噛む
・腹八分目でとどめる
・塩辛いものや辛い物を避ける
・コーヒーは濃すぎないものを飲む、ミルクを入れる
・アルコールは控える
・たばこを控える
・良く寝る
・リラックスする、イライラする機会を減らす
・腹筋を鍛える

起きてすぐや、寝る1~2時間前にものを食べないことでも予防できます。 アニサキス病に関しては、魚を60℃で一分以上の加熱・-20℃で24時間以上冷凍処理することで原因となる虫を殺せます(国立感染症研究所|アニサキス病とは)。生食を避け、加熱したものを食べるようにしましょう。